釣鐘のある『山田神社』 300mにも及ぶ参道をひたすら登って神域へ

山田神社

近隣の神社14社を合祀して成立

横浜市都筑区南山田町にある山田神社をご存知ですか?

明治43年に、近郊の村社である村社神明神社、無格社諏訪神社、同八幡神社2社、同熱田神社、同稲荷神社七社、同菅神社、同熊野神社、同子聖神社を妙見社に合祀して、山田神社ととして成立したそうです。
その時代、神社の継続的経営を確立させる目的で、この神社合祀が全国的に行われたようです。察するにこれは大変な政策だったと思います。

300mの参道

神社の入り口に、こんなお地蔵さん6体並んでいます。

中原街道から斜めに入る形で、大きな鳥居をくぐると社殿への300mもある参道がまっすぐ続いています。

まず階段70段ほどを上ると一対の狛犬。
「神徳(神様の功徳)」「潤洽(潤うこと)」の文字がそれぞれに刻まれています。

落ち葉を踏む音を聞きながら、更に上ると二の鳥居。
木漏れ日浴びながら、三の鳥居。

参道の意味

こんなに高くに来ました。ふぅ! 眺望がすばらしい!
そして四の鳥居を過ぎると、干支の石像など多く置かれています。
 
長い参道には意味があるようです。

本堂という神域に至るまで、暫く歩くことで心を切り替えることができます。
歩くひと時、日常から離れ、心を静め、慎み深く、自己と向き合う時間。

そして参道の真ん中は神様の通り道。参拝者は、端を歩くのが正しいそうです。

とうとう五の鳥居です。奥に社殿が…。

社殿

その奥に社殿があります。本殿を守る一対の狛犬。
長い階段を上り、参道を歩き、神域に来たという有難い感じがします。
本殿の覆殿の中には竜や鳳凰などの彫刻が施されているそうで、市の有形文化財に指定されているそうです。
この本殿は横浜市歴史的建造物に登録されるされているそうです。
中は見れませんでしたが、社殿の向拝柱にも丸彫の龍が施されています。↑

手水舎があります。

銘木古木に指定されている木が8本のもあるようです。

神社に梵鐘?

なんと境内には梵鐘(釣鐘)がありました。
鐘はお寺でしょう??
神社なのに鐘??と驚きましたが・・・
江戸時代の終わりまで 神仏合祀が普通だったらしく、その時代の名残りだそうです。
江戸時代ごろまでは、妙見社のように神仏習合の神社に釣鐘があることは珍しくなかったらしいのです。
鐘は突けないようになっておりますが、お正月には一般の参拝者が突けるそうです。初詣には、是非!

神蛇を祀る神池

社殿の北側にもう一つ小さな参道があります。


帰りはこちらの参道を下ってみたいと思います。

中腹付近に「神池道」の碑が出てきました。
門の奥へと進んでいくと榊と御神水が供えられています。

池の跡らしきものがあります。
干上がっていて湧き水はありません。
ここは、諏訪神社の神蛇 (しんじゃ)を祀るための神池だったそうです。
そうそう、五の鳥居の近くに、亀の石像が祀られていました。↓


明治時代、その頃は水が豊富に湧き出て、亀が住み着き、亀が神の御使いとされた信仰があったようです。

また、蛇にまつわる伝承もあります。
諏訪神社の神蛇 (しんじゃ)を祀るための神池だそうです。

 

 山田神社
 所在地 横浜市都筑区南山田町3795
 市営地下鉄「東山田」下車10分、バス「宮の下」下車すぐ

山田神社はたくさんの鳥居をくぐり、まっすぐ、ひたすらまっすぐ、
神様のもとに上るかのように階段を上り、
生い茂った木々に抱かれるように
参道を歩き本殿まで歩く道のりは、のどかでとても気持ち良いです。
素晴らしい神社でした。
七月には地域の子供たちが参加して山田神社を起点に「虫送り」の行事が行われているそうです。
来年は「虫送り」体験したいな!