都筑区3つのミニチュア富士
都筑区には山田富士、池辺富士、川和富士の三つの富士があります。
もちろん、富士といっても、富士信仰による、いわば人工のミニチュア富士山です。
この三つの富士山は、それぞれ個性もあり、存在感もあり、気軽に登れますし、お散歩スポットになっています。
山田富士
今日は山田富士に行ってみました。
山田富士は都筑区の北方、山田富士公園の一角にあります。
まず、くねくね階段を登ります。
ちゃんと整備されたゆるやかな階段で登りやすいです。
すると、目の前に見えてきました、山田富士。
山田富士の立て看板もあります。
お鉢巡り
本家の富士山と同じように美しい裾野を持つコニーデ(円錐状の火山)形状をしており、江戸時代の「新編武蔵風土記」(文政年間)には、「太子堂山、北ノ方ニアリ、此山ニ富士塚トテ高サ…」と記されており、現在の高さは8m(標高41m) だが、当時は30メートルあったといいます。
富士山のミニチュアになっていて、頂上には噴火口のような直径6mくらいのへこみがあり、ぐるっとお鉢巡りもできるようになってます。
一周してみた。
時計回りが正しいお鉢巡り。
眺望
頂上からの景色です。
眺望もよく、遠くにセンター北の観覧車も見えますよ。
晴れた日にはきっと富士山も見えるでしょう。
お地蔵さん
山田富士のふもとの樹の根っこにはお地蔵さんも祀られています。
左手に小さな子供を抱えています。
富士信仰
古来から日本人の心には、自然に対する畏怖や畏れ、自然崇拝があります。
山を拝み、日を拝み、その目的のために登山します。
ことに富士山には神が宿っていると信じてきました。
農業に降りかかる天災に対する畏敬も、富士崇拝につながっていたのだと思います。
そして一般庶民にはそう簡単に富士山まで行く交通手段もなかった時代ですから、身近な地元に富士山擬きを築き、神を祀ったわけです。
私も昔、富士山に登ったことがあります。
神々しいほどの美しさ、澄みきった空気は、心を動かされます。
富士山に登ると、誰もがその山容に心打たれます。
そしてこうして山田富士に登りながら、富士信仰の文化が今もなお脈々と受け継がれていることを感じました。
太宰治「富嶽百景」
富士山には不思議な力があると感じてしまいます。
太宰治の「富嶽百景」を昔読んだ記憶があり、もう一度読んでみました。
主人公ははじめ富士山をたいした山ではないと考えています。その主人公が、色々な角度で富士山と向き合う事によって、富士山に対する想い、そして自身の色々な想いが変わってゆく様が描かれています。
「冨士には月見草が良く似合う」という、フレーズが有名です。
太宰治はやはり天才です。
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