牛久保公園のナンバンキセル 思ひ草今更になぞ物を思はむ

自然豊かな牛久保公園

横浜市営地下鉄センター北駅から500mほど北へ向かうと、丘の形状を利用した公園が見えてきます。
牛久保公園
牛久保公園です。
牛久保公園は自然の雑木林があり、小高い丘となっていて起伏もある公園です。自然豊かな自然がそのまま残された公園です。
でも歩道は整備されていて、ジョギングや散歩をするには良い公園です。子供用の遊具はなく、自然を楽しめる公園になっています
牛久保公園
公園の東は、横浜市立牛久保小学校やつづき保育園が隣接しています。
都筑区の公園では、このような休憩所をよく見ます。東屋というのでしょうか?                  ↓ 
牛久保公園

ナンバンギセル発見!

のんびり散歩トンボが飛び交い、暑さの中にも秋の気配を漂わせています。
ふと、穂をなびかせているススキの根元を見ると、見つけました!
ナンバンキセルです。
ナンバンギセルはススキなど他の植物の根などから養分を取って寄生する寄生植物です。
自分だけでは生きていけません。寄生しないとね。。
初めて見つけました。
ぷっくりとしたガクから淡い紅紫色の花を一輪、隠れるように咲いています。
葉はなく、まるでキセルのような釣鐘型の花。
ナンバンギセル

思ひ草

万葉集では「思草(おもいぐさ)」の名前で歌があり、古く日本で親しまれていた植物なのでしょうね。

うつむきかげんに頬を染めて咲く花の姿ひたむきな恋を歌った美しい歌です。

道の邊(べ)の 尾花が下の 思ひ草 今更になぞ物を思はむ (詠みびと知らず 万葉集)
路傍に生える尾花(ススキ)の足元にある思い草は、今更何を思いわずらっているのだろうか。
きっと作者は恋に悩む人だと思います。
もう迷ったりしませんと悩む自分を断ち切ろうとしているのでしょうか?
諸説あったのですが、「思ひ草」をナンバンギセルのことだと最初に明確に指摘したのはあの(江戸時代の国学者)本居宣長だそうです。

ちゃっかり居候?

ナンバンギセルはイネ科、特にススキなどによく寄生するそうです。
大量発生すると害草です。
ややうつむいた角度で咲く姿が、万葉の人には秘かに物思う姿に見えたのでしょう。

実際はちゃっかりした「居候」にも思えますが…(笑)