永井荷風の「日和下駄」
「永井荷風」という作家の名前は誰でも知っていると思いますが、今日は「日和下駄」一名東京散策記 について。。
「日和下駄」は晴れている時に履く歯の低い下駄だそうです。
きっと歩きやすい下駄なんでしょう。
この作品は、もう1世紀以上も前大正時代初めに、永井荷風が日和下駄をつっかけて、こうもり傘を携えながら、江戸切絵図を懐に忍ばせて散歩した、永井荷風の東京散策記。
在りし日の江戸
散策しながら感じたことをつらつらと書き連ね、読んでいて楽しいです。
永井荷風が見た大正初期の東京は、まだ少し江戸風情を残す部分があったのでしょう。
明治から大正にかけて消え行く江戸の景色と新たに生まれる東京の景観、消えゆく在りし日の江戸への哀惜を書き連ねます。
今の時代にもありますね。
昔の風情が失われるのを嘆き、残っている古き時代の面影を愛おしむ。
開発されて便利になったけど、心に残る一抹の寂しさ。
耳を澄ませばカラコロ日和下駄の音が聞こえてくるような気がします。
樹木と水流に俟つもの
荷風は、もし今日の東京に果して都会美なるものがあり得るとすれば、私はその第一の要素をば樹木と水流に俟つものと断言する。山の手を蔽う老樹と、下町を流れる河とは東京市の有する最も尊い宝である。
とても気持ちが分かります。時代は変わってもこれらは残って行ってほしいです。
そんな散歩の楽しさを語った散歩論・地域を愛す気持ちに、心から共感を覚えます。
新しい街都筑区にも消えゆく古きよきものを見つけることがあります。
私も都筑区お散歩をこよなく愛し、普通の景色の中から、小さな発見をして、驚き、感動することが愉しみ。。
時にはパンプス、時にはスニーカーで
テクテク… 時にはジョギング
私らしい価値観で「尊い宝」というべき街を眺めて行きたい。。