都筑民家園の「芍薬の花」と小野小町の「百夜通い」伝説

都筑民家園の庭に、シャクヤクの花が咲いているのを、見つけました。
シャクヤクといえば「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」
美人を例えるこのフレーズは有名です。
それからもう一つ、芍薬といえば、絶世の美女、小野小町の「百夜通い(ももよがよい)」の伝説が頭に浮かびます。
深草少将が小野小町に恋をして、小町は「百夜、私の元に通ってきたら、契りを交わす」と答えます。
その通った証に1夜1本の芍薬を届けることを契ります。
少将は雨の日も嵐の日も雪の日も、一里半(5km位)も離れている小町の元に通い続けたのですが、(いろいろな説がありますが)その願い叶わず100日を前にして、亡くなってしまいます。
小野小町は生涯をかけてその菩提を弔ったという悲恋の伝説です。
ちなみに、小町が深草少将に「百日」と言ったのは、少尉の気持ちを確かめたかったのでしょうか?
これはかぐや姫がプロポーズする男たちに無理難題を示したのと似ています。

やはり小野小町は、才女でもあり、相当な美女だったのでしょう。

花の色は 移りにけりないたづらに 我が身世にふる ながめせしまに
小野小町

絶世の美女、小野小町でさえ、美人も、花も、時と共に色あせると歌っています。
そんなお話も秘めた、芍薬の花。
本当に存在感ある華やかさ。